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自分の全力を出し切るということ

Friday, October 16th, 2009

「こんな画をかいても満足しないのですか。随分欲が深いのですね。」

「正直な所、之をかいた時、ちょっと自慢したかった。だが、こんな画をかいて、少しでも自慢したい気になった自分を軽蔑したくなった。まだまだ、こんな仕事で得意になっては仕方がない。ミケルアンゼロやレオナルド・ダ・ヴィンチなぞを一寸でも頭に浮かべる時、自分が余りに子供なのを感じる。自分は自分の力だけの仕事をするので、満足するのはいい。自分の力以上のことをしたいと思うことは虚栄心だ。しかし、こんなちっぽけな仕事で得意になるのは、自分があまりに小人物だということになる。自分は大作をしようとは思わないが、自分の全力を出してもっとも深い所から純な生命の泉を汲み上げたい。死物狂いで自分の力を出し切った仕事をしてみたい。ここまで来れて自分の全力を出しきれる仕事が出来ないのは恥だと思っている。深さで誰にも恥じない仕事をしたい」

「真理先生」 武者小路実篤著

あなたは自分の仕事が、自分のできる限りの力を出した結果だと、胸を張って言えるだろうか。

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自分より真剣に生き抜いた人のことを知る

Thursday, October 15th, 2009

若いときはなるべくいろいろのものを読むのがいいが、しかし本当に読みたいものを読むべきである。

十七歳から二十二三歳の間にいい本を沢山読んでおくことはその人の一生にとって大事なことのように僕には思える。

この大事な齢につまらぬものを読むのは惜しいことである。できるだけ第一流の本を読むべきである。

そうすれば人生が如何に宝に満ちているものか、そしてその宝を掘り出すのに暢気な心がけでは駄目なことが分かり、本気になって修行をし、心の鍛錬をする必要を感じ、いざというとき動かないだけの信念を持つことができ、真の勇気、真に立派な人物、真に愛すべき人間、尊敬すべき人間がどんな人かよく知り、それらの人と精神的な友人となることができ、この世に真剣に生き、真剣に仕事をしなければならないことを知るであろう。

我等はこの世の古今東西に愛敬する多くの友人を持つことができ、それらの人を信じることで、人生に対する信頼を失われずにすむことができる。

「自分より偉い奴がいる。
自分より真剣な奴がいる」

自分より真剣に生き抜いた男のことを知るのは実にいい鼓舞を受ける。彼らには我等を真剣にさす力がある。負けずにやれという気になる。

男らしい競争、最善を尽くし、尊敬しあっての競争、相手は知らぬかも知れないが、尊敬するものに負けないだけの仕事を地上にして行こうというのは男らしい意地である。

「人生論・愛について」 武者小路実篤

男らしく、などとわざわざ男といっているのは単にその時代背景のせいであって、女性でも同じことだ。

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自分を穢さない

Thursday, October 15th, 2009

・・・しかし、私は幸いにもとっさにそんな言葉で、自分を穢すことをのがれたのだった。

「小さき者へ」 有島武郎作

自分の過ちを認める偉さについて

Thursday, October 15th, 2009

自分の過ちを認めることはつらい。しかし、過ちをつらく感じるということの中に、人間の立派さもあるんだ。

「王位を失った国王でなかったら、誰が、王位にいないことを悲しむものがあろう」 (パスカル)

正しい道義に従って行動する能力を備えたものでなければ、自分の過ちを思って、つらい涙を流したりしないのだ。

「君たちはどう生きるか」 吉野源三郎著

自分の行動と幸福について

Monday, October 12th, 2009

名誉を愛する者は自分の幸福は他人の行為の中にあると思い、享楽を愛する者は自分の感情の中にあると思うが、ものの分かった人間は自分の行動の中にあると思うのである。

「自省録」 マルクス・アウレリウス