褒められても何も変わらないし、けなされても何も変わらない

October 12th, 2009

何らかの意味において美しいものは全てそれ自身において美しく、自分自身に終始し、賞賛を自己の一部とは考えないものだ。実際人間は褒められてもそれによって悪くも善くもならない。一般に美しいといわれているもの、たとえば天然の物資や人工的な製作品などについても同じことが言える。してみれば美しいものは何かそれ以上のものを必要とするか。否、それは法律や真理や善意やつつしみの場合と少しも変わらない。これらのものの中に何が一体、褒められるから美しく、非難されるから悪くなるであろうか。エメラルドは褒められなければ質が落ちるか。金、象牙、紫貝、竪琴、短刀、小花、灌木等はどうか。

「自省録」 マルクス・アウレリウス