半物知り、嘘つき、ごまかしは人間を鍛えない
October 15th, 2009修行時代は、本気に修行することだ。自分の心身を鍛えられるだけ鍛えることだ。健康第一。しかし健康は目的ではなく、自分の一生をなるべく有益に生かす為に健康を大事にするのだ。栴檀は双葉より芳しと言う。この本をわざわざ読む人は十人並みの人間で満足できない人々であろう。それなら、まず修行時代に十人並み以上に豪気な気質をもって、自分を鍛錬すべきだ。早起きもいいであろう。運動もいい。二宮尊徳にまけない働き者に自分を作り上げるのもいいであろう。又よき本を熱心に読み、よき友達と心をうちあけて話したり、議論するのもいいだろう。よき先生が居たら教われるだけ教わるがいい。怠けるくせはつけないがいい。半物知りや、嘘つきや、ごまかしは、人間を本当に鍛えてはくれない。
早く有名になろうとか、早く成功しようとか思わずに、最後に勝利を得る、間違いのない道をこつこつと歩くべきである。
「人生論・愛について」 武者小路実篤
修行時代と時期を隔てずとも、常に頭に入れておきたい言葉だ。
半物知り、嘘つき、ごまかしは人間を鍛えない。夏目漱石も 「硝子戸の中」 にて、学ぶとき教えを乞う時は 「思い切って正直になる」 ことを説いている。適当に誤魔化し、中途半端な気持ちで学ぶのではなく、本当にわかるところまで心を込めて学ぶことが大切なのだ。
よき本、よき友達、よき先生、と、常に 「よき」 と書かれていることに注意されたい。 多読であれば良い、友達がたくさんいればよい、先生ならば誰でも良いとは書いていないのだ。
正しく学ぶためには、良いものに触れなければならない。そうすることによって、何が良いか悪いか判断がつくようになり、正しいところから学ぶことができるのだ。
ゲーテは弟子エッカーマンに対して、常に一流のものをみるべきと説いていた。 常に一流に触れることによって、物事を正しく判断できるようになるのだ、と。
二流、三流の者は、あなたをおだてながらやってくるものだ。
巧言令色すくなし仁。 あなたに取り入ろうとするものは、あなたをおだてるものだ。その刹那の自惚れに絆され、金でなく鍍金を掴まされぬよう十分気をつけるべきである。